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夏の台湾は、紅茶の生産時期に入ります。

Updated: May 27, 2021

台湾はお茶の国。春と冬は烏龍茶がメインで、夏と秋は紅茶と東方美人茶を作る季節です。

発酵(酸化)中の紅茶

台湾の紅茶と言えば、花蓮の蜜香紅茶、南投の紅玉紅茶、阿里山/高山小葉種紅茶、近年は紅韻紅茶、鉄観音紅茶…などがあり、そして紅茶(全発酵)に近い烏龍茶と言えば、東方美人(発酵レベル70%〜80%)や紅烏龍(発酵レベル90%+後焙煎)など、沢山の台湾茶の種類があり、一年中紹介し切れないと感じてきました(笑)。


今回6月の「ちょっと台湾」では、日月潭の名産物、「紅玉紅茶」を紹介します。紅玉紅茶とは、紅玉という品種で作られた紅茶である。この品種は、台湾にしかないとても特殊な品種であり、台湾に元々あった在来種の台湾山茶(永康山茶とも呼ぶ)とインド種(アッサミカ系)に属するミャンマー茶と掛け合わせ、50年の研究で生まれたものである。いわゆるインド種は、茶の葉が大きく、発酵されやすく、紅茶に適し、台湾ではよく「大葉種」と呼んでいます。一方、中国種(シネンシス系)は比較的に葉が小さく、緑茶や烏龍茶に適して、台湾の青心烏龍や日本のやぶきたも全部中国種に属し、台湾では「小葉種」と呼びます。

大葉種の葉は、手のひらくらいの大きさ。台灣農林銅鑼茶廠にて。

現在台湾茶の95%以上が烏龍茶を作るための「小葉種」であり、200年前に中国から持ってきた茶の木(青心烏龍や鉄観音など)とそれらから品種改良されたものだが、紅玉は珍しく大葉種であります。台湾の野生在来種「台湾山茶」は、実は大葉種であり、氷河時代にインド周辺からやってきた、という説が確立されています。中国とは全く違うルーツで、中国茶とは全く言えないと思います。台湾山茶の香りは、マシュルーム、アーモンド、コーヒーの香りがするとよく言われ、野生ではなく人工による栽培の台湾山茶は台茶24号と呼ばれています。台湾山茶(大葉種)の花粉をミャンマー茶(大葉種)の雌蕊につけて掛け合わせたのが大葉種の紅玉(または台茶18号)は、父も母も中国種と関係がなく、台湾独自で生まれた特別な品種で、まさに台湾茶の代表になって欲しいくらい(ただ自分の願いだけですが)、独特なものである。今はタピオカドリンクバーにもたまに出てくる紅玉紅茶は、とても残念だが実はその珍しさを、多くの台湾人ですら分かっていないのです(そもそもお茶の品種や作り方をこだわる人も多くないのですが)。

香りは、ミントとシナモンが普通に知られている特徴ですが、実はまた季節によって、少しの違いもあるようです(ミントやシナモンは自然の香りで、茶葉以外何も添加されていません)。


春|生産量が少なく、爽やかなお花の香りがして、近年は紅玉を白茶に作るのが流行り始まっている所。


夏|最も代表的なミント、シナモンの香り、夏の時期は特に強いと言われている。


秋|ウッディ、完熟の赤いフルーツ、燻製の龍眼(とても甘い)の香りがする。


冬|薄いフルーツの香りがするが、葉っぱの繊維が粗く、冬の紅玉はあまり美味しくないと言われている。

品種研究中の台湾山茶。農委會茶葉改良場にて。

・台湾茶|南投魚池の紅玉紅茶

台湾の真ん中にある南投県は、紅玉の1番の栽培地である。紅玉とは、台湾だけの品種であり、独特なウッディ、スパイス、ミント、シナモンの香りがする特殊なお茶である。


・台湾お茶菓子|南投魚池農協のアッサム紅茶ビスケット

大日本帝国時代の台湾は、輸出用のアッサム種も沢山栽培され、日月潭紅茶が初めて有名になった。現在もアッサム種が残され、台湾のアッサムティーが作られ、魚池郷農会(農協)が開発したアッサム紅茶入りのビスケットがサクサクしていておいしい。





6月のちょっと台湾、募集スタート!

今月のお茶は、ティーバッグか茶葉、どちらか選択できます。

いつも急須で丁寧に淹れてくださっている方は、茶葉でお茶を楽しみましょう!

よくバタバタしてあまりゆっくりするお時間、もしくはお茶の道具をお持ちでない方は、ティーバッグで気軽に淹れましょう!


〆切は5月31日まで!こちらで応募↓↓↓



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